Silver Bulletの技術到達完全性保証と輻輳回避との分離により、通常のTCPの数十倍の性能を実現
通常のTCPを利用したHTTP、FTP、CIFS、NFSなどのプロトコルによる通信では、ACK(受信確認応答)を、『到達完全性の保証』と『輻輳回避のための流量制御』というまったく異なる目的のために併用しているため、次のような通信では実効速度が低下しやすくなります。しかし、Skeed Silver Bullet Protocol(SSBP)では、それらを分離した実装をUDP上で実現することにより、高い実効速度によるデータ伝送を実現できます。
RTT(Round Trip Time)が大きくなりやすい、長距離回線などを経由した通信
パケットロスが発生しやすい、低品質な回線などを経由した通信
長距離回線でも高速なデータ伝送を実現
通常のTCPを利用したHTTP、FTP、CIFS、NFSなどのプロトコルによる通信、あるいはTCP複数セッション(マルチセッション)接続による通信において、ファイル転送などのバルクデータ転送ではネットワーク距離(遅延)が長くなるほど速度が低下します。しかし、SSBPでは、ネットワーク距離(遅延)とは関係なく高い実効性能でファイル転送を実現します。
―ACKに依存しない送信ペース制御―
通常のTCPでは、受信側からのACKをペースメーカーとしてパケットを送信するため、遠隔地間通信などRTTの大きな状況では転送性能が大幅に低下してしまいます。
SSBPはACKに依存せず、送信側が独自の判断により目標に適合したペースでパケットを送信します。
遠隔地や海外との通信においても、転送性能がまったく低下しません。
これにより、東京・大阪間でTCPの約3倍~5倍、日本・ヨーロッパ間で数十倍~数百倍の実効性能によるデータ伝送が実現可能となります。
無線、衛星、低品質回線上でも高速なデータ伝送を実現
通常のTCPによる通信では、パケットロスが発生した場合、ネットワークの輻輳を回避するため、著しく性能が低下してしまいます。しかし、SSBPでは、パケットロスが発生したとしても転送レートを落とすことなく、高い実効転送レートでデータ伝送を実行します。
―パケットロスに依存しない輻輳検知と輻輳回避―
通常のTCPでは、パケットロスを輻輳検知の指標とするため、輻輳以外の要因によるパケットロスが発生する経路では、輻輳の発生を誤認識してしまい、転送レートを不必要に低下させてしまうことになります。
無線、衛星通信、発展途上国における低品質なネットワーク回線など、経路固有のパケットロスが発生しやすい回線上では、データ伝送の実効性能の大幅な低下が発生します。
SSBPでは、RTTの増大に基づいてネットワークの混雑度を無段階的に評価し、輻輳を引き起こさない程度の通信量になるよう、自動的に転送レートを調整します。
低品質回線においても、必要以上に転送性能が低下することはないため、結果として、低品質回線においてもTCPの3倍~5倍の性能を発揮します。
特に、極めて高い確率(例えば50%以上)でパケットロスが発生する回線の場合、TCPではセッションの維持ができず、データ伝送自体が行えなくなりますが、SSBPでは問題なくデータ伝送を実行できます。
Silver Bulletの技術優れた動的帯域制御と静的帯域制御機能
SSBPは、同じネットワークを共有している他の通信を妨げることなく、かつ最大限効率よく転送できるよう、空いている回線帯域を活用し、大容量、高速ファイル転送を実現します。
TCPが担っていた帯域制御を、静的帯域制御(サーバー / クライアント)に動的帯域制御(※)を加えた、三層によるインテリジェンスな帯域制御にて明示的に実現します。 <※ 特許取得済:特許第5152940号「バルクデータを効率的に転送するためのデータ転送方法」> |
|
転送速度の指標の1つに、独自のネットワーク遅延理論を適用することで、通常のTCPでは利用できなかった回線帯域が利用可能になります。これはネットワーク距離(RTT)が大きくなるにつれ、大きな差となって現われます。 | |
転送速度に対する、SSBP独自の繊細で大胆なアクセル/ブレーキが、機敏な動的帯域制御を実現、常に空き帯域をモニタリングしつつ、最大限の効率性を引き出します。 |
Silver Bulletの技術セキュリティの確保とデータの整合性維持
プロトコルレベルでのセキュリティSSBPは、暗号化技術として、NSA採用のグローバルスタンダードである「Diffie-Hellman鍵合意」と「AES」アルゴリズムを採用しています。システムログインから始まるすべてのシステム操作、および転送データを暗号化することで、ビジネスで必要とされる確かなセキュアさを実現、インターネット上での安全なデータ授受を実現しています。 |
|
データの整合性維持SSBPはパケットの損失や毀損に対処するため、「SHA-1」アルゴリズムを活用して小さい単位でデータの完全性を検証、未達のパケットのみを再送、送信データの完全性(信頼性)を担保します。 |
転送速度事例
回線種別&場所 | Silver Bullet 適用「前」 (プロトコル: HLS, FTP, etc) |
Silver Bullet 適用「後」 | 速度改善率 |
---|---|---|---|
LTE Mobile Network | 3Mbps | 10Mbps – 30Mbps | x 3.3 – x 10 |
Cable Network at San Jose |
6Mbps | 20Mbps – 25Mbps | x 3.3 – x 4.1 |
Fiber Network at San Jose |
7Mbps | 20Mbps – 35Mbps | x 2.8 – x5 |
Hotel Network at Las Vegas |
2Mbps | 8Mbps – 15Mbps | x 4 – x 7.5 |
クライアント | 環境 | Silver Bullet 適用「前」 (プロトコル: FTP) |
Silver Bullet 適用「後」 | 速度改善率 |
---|---|---|---|---|
アニメ制作会社 | サーバー:日本 クライアント:ベトナム ダウンロード ファイルサイズ:50MB |
速度:1Mbps 転送時間:0:06:40 |
速度:20Mbps 転送時間:0:00:20 |
x20 |
ソフトウェア サービスプロバイダ |
サーバー:中国 クライアント:日本 アップロード ファイルサイズ:2.2MB |
速度:720Kbps 転送時間:0:00:25 |
速度:2.5Mbps 転送時間:0:00:07 |
x3.5 |
コンテンツプロバイダ | サーバー:米国 クライアント:日本 ダウンロード ファイルサイズ:1GB |
速度:570Kbps 転送時間:3:58:10 |
速度:24Mbps 転送時間:0:05:33 |
x45 |
コンテンツプロバイダ | サーバー:ドイツ クライアント:日本 ダウンロード ファイルサイズ:100MB |
速度:290Kbps 転送時間:0:46:20 |
速度:20Mbps 転送時間:0:00:40 |
x70 |
システムインテグレータ | サーバー:米国 クライアント:日本 ダウンロード |
速度:4Mbps | 速度:40Mbps | x10 |