SkeedOzの基本概念コンセプト
SkeedTech®にみられる多数のマシン間における協調動作の考え方から、クラウド環境やデータセンタなどのサーバ、パソコン、スマートフォン、セットトップボックス、スマートデバイスやセンサーデバイスなど、有線無線を問わずネットワークに参加できる様々な機器を自律的なノードとしてふるまわせて相互に接続することでオーバーレイネットワークを構成し、全体としてそのリソースを利活用しようとするもの、それがSkeedOzの底流にあるコンセプトです。
その目指すところは全体として、より大きな大きなネットワーキングやコンピューティング、ストレージなどのリソースとして利用可能にする仕組みを実現することにあります。構成するノードは多様なリソースを持つところ、統計に基づいた通信経路や通信帯域の自動的な制御の考え方を用いてその利用可能なリソース状況に応じてオーバーレイネットワーク上の役割を割り当てます。その結果、各ノードに適した方法によってリソースを活用し、キャッシュおよびプロキシによる高速なレスポンスの実現、各種の独自プロトコルによる、高性能かつ信頼性の高いファイル転送、暗号技術の活用による厳密なセキュリティおよび整合性確保のそれぞれの考え方を活用して規模にとらわれず、それらを取りまとめることで可能となります。
Skeed独自の自律分散技術により、大量データをクラウドなどに集約することなく、末端のモノたちが自律的に流通・蓄積・処理するIoT基盤ソフトウェア
SkeedOzの基本概念中核を成す自律分散ネットワーク
ノードとなる機器はネットワークによってこの仕組みに接続されることから、ネットワーキングの仕組みが中核をなすものとなります。
このオーバーレイネットワークは、多数のノードが接続しながらも、様々な指標を考慮しながら各ノードの役割やノード間の経路を動的に変更しつつ、通信経路上においてネットワークの通信経路への負荷の集中を回避してトラフィックを分散させるよう通信経路を選択して相互に接続し合い、これを自律的に構成しようとするものです。
その様々な指標には固定的な指標だけではなくその時々において変化する値も含んだ指標を含み、それにはたとえば、プロセッサの種類やメモリの量、下位通信レイヤの利用可能な通信方式や最大帯域、地理的情報など種々の静的な情報や、時系列によって変動するような実効ネットワーク帯域や接続可能数、継続して利用可能な資源情報、それらの休止状況を含んだ連続稼働時間、機器の移動による影響などの種々な動的な情報が挙げられます。
このような指標は自ノードによって申告される情報によってのみではなく近傍の他ノードによって外部観測できる情報も利用することにより全体的な安定性をより高めることができ、相互に情報を交換し合うことにより各ノードの総合的な貢献可能度を判定しつつ役割分担をしながら、常時状態を適切に変化させながら自律的にノードを多階層化およびグループ化することで、ノード数の規模によらない可用性の高いオーバーレイネットワークの構成を目指すものです。
もちろん、このような仕組みはあらゆるノードで全ての機能を画一的に持たなければならないものではなく、その機器の性能や利用のされ方などを考慮してそれ応じた部分的な機能のみを持ってもよいため、あらかじめ定められた範囲内での貢献のみを行うことを前提としたノードがあってもよいことになります。
階層化の有効性検証のために大量離脱に耐える非構造化オーバーレイネットワークを構築。ネットワーク維持の通信コスト半減、さらにノード規模に制約されず、数百万ノードでの自律分散型ネットワークを1.5秒程度で構築することに成功。
SkeedOzの基本概念ストレージ・プロセッシングの自律分散化
また、このネットワーキングのオーバーレイネットワークを利用することにより、たとえばストレージやプロセッシングなどの用途ごとのオーバーレイネットワークを構成してそれを利用することもできます。
このストレージとは可用性確保のために多重化してデータを冗長性を持たせて複数のノードで分散格納するとともに動的なキャッシュを活用することにより頻繁に書き換えることが無く専ら利用と保存を行う必要がある情報を扱おうとするものであり、このコンピューティングとは単一の箇所で大きな処理を行わせるのではなく専ら一つの処理を複数の箇所で分担させることが可能な処理を複数のノードにおいて分担して行おうとするものあって、いずれもデータ発生源の地理的またはネットワーク的近傍のノード群において主としてそれらを自律的に行わそうとするものです。
いずれもネットワーキングとは異なるオーバーレイネットワークを利用することになり、その構成にあっては多階層化およびグループ化をネットワーキングとは異なる指標をもって各ノードが役割分担を自律的に行うこととなり、その重きを置くべきものはたとえば、利用可能なネットワーク帯域の太さの他に、ストレージにおいては供出可能なストレージ量など、コンピューティングにおいては供出可能なプロセッシング能力や電源供給の安定性など、ということになります。