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関西テレビ放送との共同実験により、取材現場からのマイクロ波伝送装置(FPU)を利...
2014.09.10
ネットワークソリューションを開発・販売する株式会社Skeed(スキード)(本社:東京都目黒区、代表取締役 CEO:明石 昌也、以下Skeed)は、このたび関西テレビ放送株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:福井 澄郎、以下関西テレビ)と共同で地上マイクロ波伝送装置(FPU)を利用したファイル転送実験を実施し、成功したことを発表致しました。
テレビ局など映像・音声を主体とした報道制作では、通常、取材現場において撮影したデータを VTRなど記録媒体に記録して持ち帰る、あるいは現場から地上マイクロ波伝送装置(FPU※1)や人工衛星を中継し、映像(音声)信号※2として取材データを伝送しています。
ただ、後者の方法では取材記者が撮影した映像や視聴者から提供されたファイル形式の映像伝送を行う場合、一旦、映像(音声)信号に変換し撮影時間と等倍速で送ることになるため、結果として長時間要するという課題があります。
この課題への対応策として、FPU や人工衛星を利用した従来システム上でファイル伝送を行うことが考えられます。
しかし、それには伝送経路での欠落データを補正する訂正符号を予め付加する必要があり、加えて、付加された訂正符号の影響でファイル伝送の実効速度が低下するという新たな課題を克服する必要がありました。
一方、Skeedの高速ファイル転送ソフトウェア SilverBullet は、長距離回線など大きな遅延環境、パケットロスの多い低品質回線、小容量多数ファイルの転送などで優れた効果を発揮するほか、独自の動的帯域制御機能※3を持ち利用回線を公平かつ高効率に利用します。
今回の実験では、この SilverBullet の特長のうち、特に高効率性に着目し、同ソフトウェアを搭載した PC から送られた IP パケットを FPU が伝送できる信号に変換して送信し、受信側で IP パケットに再変換し SilverBulletServer で受信する方式を採用しました。また、欠落したデータの再送要求は WiMAX などモバイル通信を利用し制御通信を行うため、実効速度の低下はほとんど生じませんこれにより、従来に比べ 3 倍※4の転送速度を実現しました。
さらにライブ中継中にも、空き帯域を有効活用しファイルを高速転送することが可能となりました。本実験結果は、FPU のみならず人工衛星を使った IP 伝送へも応用できるもので、放送業務だけでなく、離島や山間などの光回線が届かない地域との通信、船舶や航空機との通信など多様な分野での応用が期待されます。
※1:Field Pickup Unit の略。テレビジョン放送用の無線中継伝送装置
※2:DVB-ASI 信号
※3:データ授受を行いつつ使用帯域を制御し、他のネットワーク通信の阻害を防止する機能。(特許第 5152940 号)
※4:カメラの記録レートが 17Mbps、FPU 伝送速度が 50Mbps の場合